2011年7月10日日曜日

ニコマスにおけるシンクロステージPVについての雑感。蜂PとぎょPメインで。

蜂PとぎょPのオールスターステージもの比較 とりあえずの途中経過報告編とゆーかぎょPオールスター作品に見るぎょPこだわりのトリオユニット編成についてて
え、何か反応一杯あって怖い&蜂PとぎょPのオールスターもの比較 とりあえずの完結編
続空さんへのアンサー記事風。
続空さんへのアンサー記事をぎょさんが書いたのでボクもなんか書く

この流れを見ていてどうしても気になっていたんだけど、うまく言葉にできなかったことを今回20選をまとめてみてなんとなくわかった気がするので書いてみる。あくまでもわたしの感想ということでよろしくお願いします。

結論から書くと、ぎょPの作品のダンスは踊れるけど、蜂Pのは(多分)踊れない。そして、シンクロメインでイフェクトを多用しないステージPVとしては蜂Pの作品はかなり変わっている、です。

例題として今回20選に選んだ、







を比較してみましょう。

蜂P作品ではカットとカットの間で「ダンス」が繋がってないのがわかると思います。そして、同じ曲の1番2番で別の振りをしていることもわかると思います。ぎょP作品ではサビの終わりで同じ振りをしてますね。

この2作品を仮に実写で撮った場合どういう撮り方になりでしょうか。おそらくぎょP作品では、彼女たちをステージに立たせ、複数のカメラで撮り、その後編集という流れでしょう。流れそのものは蜂P作品も同じでしょうが、蜂P作品の場合、「違う曲のステージ」で撮った映像も平気で作品内に取り入れていることだと思うのです。

つまり、ぎょPの場合、基本的に同じ振り付けを踊っている彼女達を様々なカメラから撮っているのに対し、蜂Pの作品は別の振り付けをしている。ようするに別のステージにいる彼女達の映像も取り入れているということです。蜂P作品はモンタージュに見えるのです。

カット毎のシンクロでは甲乙つけ難いお二人ですが、お互いが「全然似てない」というのはこういうことなのかな、と思った次第です。

ぎょPの中ではアイマスというゲーム作品内では別々のモーションも、ぎょPの作品の中ではひとつの振り付けとして構成されているんじゃないかと思うわけです。つまり、ぎょPの頭の中では彼女たちはぎょPが振りつけたダンスを踊っている。ぎょPはそれをカメラに収めるという次第かと。

対して蜂Pの場合は曲に合わせて常に最高のカットを持ってくる。彼女達が連続して踊っている必要はない。持ってくる先はどこでもいいというわけです。

蜂Pの作り方はPVの作り方としてはすごくまっとうと言うか普通な作り方です。PVのカットの間で「ダンス」が連続している必要はないので。曲に良い映像素材を合わせるという手法ですね。ただ、通常のPVはステージだけを撮るということは逆に少ないです。ステージPVで通常のPVの手法で作品を作っているところが蜂Pの珍しいところなんだと思うのです。

手法として蜂Pの方が珍しいと書きましたが、ダンスシンクロで有名なステージ作品は大体ぎょPと同じような作りをしていると思います。しーなPや透-架Pの作品を思い出していただければよいと思うのですが、仮にカメラを引けば彼女達は連続して踊っていると思うのです。

では、なぜ蜂Pのステージ作品はそうなっていないのでしょうか。答えは出自にあると思っています。

ニコマスはそもそもノーマルPVの変形から始まりました。アイドルマスタータグ最古の作品がこれです。



多くのPに取ってはダンスが繋がることは自明だったんじゃないかと類推するのです。

確認できるぎょPの最古の作品もこのフォーマットに則っています。



しかし、ストーリーが入るPVや、歌詞に合わせた作品ではダンスを繋げることができません。というか、ダンスを繋げるよりストーリーに合わせたモーションを当てた方が作品としてよくなるのです。当たり前ですよね。曲に合わせた例として八位Pの【アイマス2】 なにかとおしゃれなアイドル番長を見て下さい。



カット内でのシンクロはすばらしいですが、「ダンス」は繋がってませんよね?そんなのは当たり前だろうと言われるでしょうけど。

そこで蜂Pの昔の作品を見てみましょう。



カット間で「ダンス」に連続がないことがお分かりいただけたと思います。この作品はシューティングゲームに出てくる敵機を真が模すという作品です。敵機らしさを優先しているためカット間での「ダンス」の連続を捨てているのです。見た目は真がステージで踊っているだけなのでステージPVとくくられてもしかたない面はありますが、ある振り付けを選択する意味が全然違うわけです。

蜂Pはストーリーや特にシチュエーションの必要ない楽曲にも以前の手法をそのまま援用したのではないかというのがわたしの感想です。

ここからは上記のわたしの想像があっているとしての余談です。

どっちが難しいんだろう?

答えはどっちも難しいです。

ぎょPをはじめとする多くのシンクロPVの手法ではダンスを繋ぐことを脳内でやらなければなりません。モーションがひとつの曲の場合は楽になりますが、脳内で踊っている彼女達を捉える難しさにはかわりがありません。

複数曲のモーションを拾う場合、「ダンス」の繋がりという手がかりがあるのでそこだけは楽かもしれません。それでも、脳内でステージで踊っている姿をイメージできなくてはならないことにはかわりありません。手がかりがあったとしても最後まで踊れるダンスをイメージできるか、は別問題ですから。

そうやって出来たステージですら、漫然と撮っていては面白い作品になりません。ここでカメラワークの出番なのだと思うのです。

蜂P的なやり方はどうでしょうか。曲に合わせて気に入ったカットを貼るだけなら、バースト使いまくりでウハウハ。ところがこうはならないのです。蜂Pのすごいところは「ダンス」が繋がっていなくても「作品」としてはカットが繋がりまくりだからです。実際に踊ったらその振りから次の振りに繋がらないだろう?という疑問を一切持たせないセンスが必要なんだと思うんです。

蜂Pのブログの
 ボクは意図的にカットワークという言葉を多用するけども、これは言ってみればぎょさんの芸風がカメラワークなので、それに対応する言葉を考えた結果生まれて来た造語みたいなものです。ボクはカメラを動かすのが苦手なので、そのぶん、カット割りごとにインパクトのある絵面を狙うようになり、その結果が見切れだったり、極端に狭いフレームワークだったりするわけです。

に引っかかってたんですけど、何となく答えが出た気がしたので書いてみました。大外れの可能性が大きいですけど。

2011年上半期ニコマス20選

2011年上半期ニコマス20選。並び順は投稿された順です。

レギュレーションは以下の通り。

基本レギュレーション
・対象は2011年上半期(1月1日~6月30日)に公開されたニコマス作品
・自身のセレクトを20作品以内でブログ及びマイリストにて公開
・1Pにつき1作品

・架空戦記?ノベマス? 『もつ焼き屋の小鳥』
龍彦P



原作は泉昌之『食の軍師』。小鳥さんがよりよい食べ方を求めて戦います。原作より「一体お前は誰と戦ってるんだ」感を強く感じます。黙って食えよ、と。原作の力もありますが、シリーズ通して外れ回なしです。

・色黒の社長と、事務に向かない事務員の話。
ガルシアP



かつて巨大なアイドル事務所を経営していた色黒の社長。今はオンボロビルで事務に向かない事務員とふたりきり。アイマスの彼女ら、彼らが少し大人になって登場します。洒落たBGMと会話。男も女もかっこいい。それぞれの思いを胸にかつてとは違った立場でまたアイドルを目指す姿に打たれます。

・【アイマス紙芝居】アイドルたちの念能力バトル【大会編】
テラフガシP



富樫っぽいニコマス。長いシリーズですが、最新シリーズが期間に入っていたので20選に入れさせていただきました。もともと絵の上手い人ですが、さらに上手くなっていて今後が楽しみです。現在は千早がんばる、と言ったところでしょうか。

・[im@s×VicR]オスマンはやれば出来る子:第零話1836~説明と初期設定だけ~
象犬p



大英帝国繁栄のためオスマン帝国に潜入する春香さんs(4人います)。しかし春香さんsはとんでもない人達だったのでした。帝国時代をプレイするVictoria Revolutionsというゲームを題材にした作品。春香さんsやってることめちゃくちゃなんですが、実際の歴史も同じくらいめちゃくちゃなので笑いながら泣けてきて、そしてゾッとします。作品自体はびっくりするくらいのテンポのよさで見てるだけでも楽しいです。この、ひどいけど史実もひどかったよなあ、という感覚は庭上げPの世界IDOL大戦と似た感じがしました。

・アイドルマスターxモーニング娘。「SEXY BOY ~そよ風に寄り添って~」
ぎょP



アゲアゲだー。シンクロメインのダンスPVは大好物です。

・おいアイマスがニュース番組で取り上げられてるぞ
ドリP



腹抱えて笑いました。以上。

・アイドルマスター2 relations M@STER VERSION
翼P



蔵人Pの名作をリメイク。'07年、猿のようにニコマスを見ていた日々を思い出しました。そして、進化したアイマスの今をも感じさせてくれました。比較動画も是非どうぞ。

・アイドルマスター 響・貴音・美希 「When worlds collide」
怒首領蜂P



蜂Pの作品はほんとどれもいいのですが、わたしの一押しはこれ。同じ蜂Pの「アイドルマスター 伊織・美希・雪歩 「Everybody(Rudenko)」」と同じような画面設計の作品です。蜂Pの顔を切るカメラの演出が妖艶さ、って言うかぶっちゃけエロさを感じさせてくれてたまりません。いや、ほんとたまりません。何度見たやら。

・【昭和の日】ニコマス昭和メドレー3 懐かしのテレビまんが大集合
合作(AuraP、オヤジオナP、もけP、仮面P、ぱるぷんてP、デウP、ぴっかりP、のぽぽんP、マツリP、むーくP、猫ジーナP、エムツーP、アトロポスP、紅狸P、Gたま(ネコ系)P)



アニソンってやっぱりいいなあとしみじみ思いました。単品でもいくつか20選に上げたかったのですがそれもなんか違うと思ったのでこれだけで。バラエティに富んだ作品が楽しいです。25分を超える大作ですがまったく飽きさせない構成のうまさも見所です。

・【第四次ウソm@s】ザ・黒幕IDOL大戦
庭上げP



不況、天災に悩む日本を救うため、地獄の底から大天使春閣下が復活!黒幕となって日本を支配しようというゲームを元にした作品。庭上げPのいつものテンポのよい会話で見ていて飽きません。

・まこちんはアイマス2でもポジション確認しすぎ
メカP



アイマス2になって色々進化しましたね。CGのモデリングとか。

・アイドルマスター 春香 「乙女よ大志を抱け!! ~17才ver~」
ふらいんP



元気いっぱいな春香さん。この作品に限りませんが、アイマスは2になって指の表現力が圧倒的に改善されてますね。ダンスが締まってよくなります。

・【腐者武芸帳】ぴよ丸伝
オヤジオナ氏



バブルの香りでむせそうな「【ロストアイドルマスター】夜の蝶」とどっちにしようか迷ったのですが「なのは完売」の威力に負けてこちらを選ばせていただきました。オヤジさんのすさまじい努力にはいつも頭がさがります。

・アイドルマスター サクラ大戦 「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)」TV版
ぴっかりP



ぴっかりPのアイマス歌劇団シリーズはセンスや技術がすごいのは当然として、かけている手間暇がすさまじいんだろうなあ、ということがよくわかる作品。サクラ大戦好きにはたまりません。

・アイマス2ノーマルPV 律子で「きゅんっ!ヴァンパイアガール」
ロバP



上半期大ヒットしたきゅんパイアからはこれ。律子スキーなもので。ノーマルPVでもかわいいものかかわいいんですよ。

・【ノベマス?】もしもThe Quiz m@sterがフルボイスだったら

ATP



本編とは関係ありません。答えありきの作品ですが、そうわかっていてもこのクイズ作れるもんじゃないですね。第二期マダー?

・【律子誕生祭2011】トーキングドラム~太陽と戦慄パート2(King Crimson)
ライムライトP



King Crimsonの傑作アルバムLarks' Tongues in Aspicより、The Talking DrumとLarks' Tongues in Aspic, Part Twoを使った作品。見所はThe Talking Drumの序盤モノクロでかつノイズの乗った映像から曲がアガってくるにしたがってノイズが消え色が付き画面がヴィヴィッドになる過程。曲とのシンクロが素晴らしかったです。そしてLarks' Tongues in Aspic, Part Two冒頭の弾けるような衣装替えがたまりませんでした。12分越えという大作ですが是非見て欲しいです。

・【P名】あの日見たPの名前を僕達はまだ知らない。【言われなかった】
R(略)P



2011年上半期で一番泣けた作品でした。泣けるアイマスタグが付いてねえw

・アイマス2 面妖な仮面のフェアリー 「恋のアゲハ / 田村ゆかり」
えせがわP



奇抜なスタイルでのダンスPV。ですが作品に破綻はありません。曲に合わせた非常に妖しい雰囲気の漂う作品となっています。別にわたしが王国民だから選んだわけではありません。本当です。

・【アイドルマスター2】L・O・B・Mの歌詞を見やすくし過ぎた
mizuchiP



もともと視力の悪いわたしにはたいへんありがたい作品でした。多くのPにこういう配慮を望みたいところです。

以上わたしの2011年上半期の20選でした。主食はダンスPVなんですが、選んだ作品を見ると結構ノベマスが多いなあという印象です。だからどうということは無いのですけど。