2012年12月16日日曜日

後継者たち

【アイドルマスター】VESPERIA
ドドリアP

 

冬なのに熱い。ドドリアP描くアイドルたちの戦いが。敗れ去った竜宮小町の復活を誇り高く描写した傑作「【アイドルマスター】DIAMOND」の裏側とその未来を描いたこの作品もまた傑作であった。

激戦の末、春香、千早、亜美のトリオ「シーフー」に敗れた竜宮小町たちは律子のもと再起をはかる。 傷の癒えたドラゴンに挑むのは若き妖精たちであった。

フェアリーの三人の表情が実にすばらしい。レッスンに参加できること、デビューできたこを素直に喜ぶ描写から決戦での凛々しい佇まいへの変化がただダンスのみで表現されている。おそらく最初に当たった大きな壁なのだろう。そしてまた、勝ち残って来た者としての責任の重みを感じてのものでもあろうか。彼女たちの後ろには必ず敗れたものがいるはずなのだから。再挑戦者である竜宮にとってフェアリーは挑戦者への挑戦者なのだ。一度は勝ち、そして敗れたという経緯を持つ竜宮とまっすぐ伸びてきたフェアリーという対比は実に楽しかった。

曲はおとなしめだがダンスはあいかわらずピカイチ。衣装の選択もすばらしい。おそらく竜宮への挑戦権を獲得した時のものであろう、竜宮の「マイディアヴァンパイア」とフェアリーの「ワイヤードマリオネット」。赤と青の対比が美しい。そしてもちろん決戦は「プリンセスメロディ♪」と「ビヨンドザスターズ」だ。かつての栄光の衣装「パレスオブドラゴン」ではなく今の竜宮小町を象徴する「プリンセスメロディ♪」が彼女たち三人の笑顔とともに輝き、作品はフェードアウトしていく。

きっとバトンは渡されたのだと思う。それは受け継がれていくのだ。

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